2016年03月23日

食事について



間 黒助です。




あまりにも食事について間違った知識の方が多く、

問い合わせのメールが多いものですから、

本日はいつもそういった方々にお送りしている、

“ 食事についてまとめたもの ” を掲載したいと思います。


少し長いですがご一読ください。






従来の食事法はカロリーを重視しますが、

カロリーとはただの熱量であって栄養は関係ありません。

現在、最もポピュラーで定番となっている食事療法は、

「低カロリー・低コレステロール+軽い運動」でしょう。

健康診断で引っ掛かった人は必ず推奨されます。

体に入るものを少なくし、運動して出るものを増やすのですから、

差し引きすれば減量もできて当然でしょう。

必要以上のエネルギーを取り入れないのですから、

一見すると理に叶っているようにも思えます。

しかしお金に置き換えて考えれば、

収入が減って支出が増えたのと同じです。

ですから差し引きすると赤字という計算になります。

赤字と言うと聞こえがよくありませんが、

この場合の赤字は体重減、黒字は体重増になるのでNGです。

しかし人体はお金の収支と同じではないので、

体重減=空腹感、実際は満腹することに慣れた体がその欲求を我慢できません。

食事の総量を抑えながら動物性たんぱく質や脂肪分を減らし、

野菜をたくさん食べるのが「低カロリー・低コレステロール食」です。

病院で推奨されるようになって長い期間が過ぎているので、

健康診断で血糖値やコレステロール値、中性脂肪値などの結果が悪かった方の多くが、

この方法を経験されたはずです。

全国の病院で医師も看護師もこぞってこの方法を推進しました。

そうした努力の甲斐もあって、

ここ10年で日本人の食事が大きく変わったのも事実です。

摂取するカロリー総量は減り、動物性脂肪摂取量もグングン減りました。

しかし、

食事の改善と共に減るはずの肥満は一向に無くならず、

悪いことに生活習慣病はうなぎ上りに増える一方なのです。


特定健診が導入されたのは2008年のこと。

日本人に生活習慣病が増えていることへの対策として厚生労働省が導入に踏み切ったのですが、

長年にわたり「低カロリー・低コレステロール食」を勧めてきたのにも関わらず、

日本人の生活習慣病は増えました。

しかし、

特定健診でイエローカードをもらった人に対する指導も、

「低カロリー・低コレステロール食」というのが信じられません。


こんな話、おかしいと思いませんか?


高血圧患者が4000万人、

高コレステロール血症3000万人、

糖尿病は予備軍も含めて2300万人と、

日本には凄い数の病人がいることになります。


これは薬を売るための策略としか思えません。


「このくらいからは治療をした方がいいよ」という高血圧の基準が、

大した根拠もなくどんどん下がってきています。

他の数値もそうです。

長い間、最高血圧の基準は160だったのが、

2000年に140に、

2008年の特定健診ではついに130にまで引き下げられました。

その結果、

1988年には降圧剤の売上が約2000億円だったのが、

2008年は1兆円を超えて、

20年間で売上が6倍に伸びています。


総コレステロール値も、

日本人は高い方が長生きできると10年以上前から分かっているのに、

基準値はなかなか上がりません。


そんな状況なのに、

いつまで経っても「低カロリー・低コレステロール食」を唱えているのはあまりにも異常です。

ジョギングやウォーキングがブームになり、

多くの街にジムもたくさんできたのに、

日本人は健康を手に入れられなかったばかりか、

もの凄い勢いで生活習慣病を増やしているのです。


断言します。


「低カロリー・低コレステロール食」は明らかに間違いです。

そのことは上記のような事実からも簡単に証明できてしまいます。


また、

コレステロールに善玉も悪玉もありません。

この分け方も一般の方を誤解に導く要因になりました。

コレステロールは1つの物質で善玉も悪玉もないのです。


善玉コレステロール:血管から肝臓に戻るコレステロール(体の隅々にコレステロールを配って戻ってきた)

悪玉コレステロール:肝臓から血管に行くコレステロール(肝臓でコレステロールが注入され体の隅々に向かう)


違いはこれだけです。

さらに言えば、

コレステロールはドロドロした物質ではありません。

語尾が同じことから連想できると思いますが、

実はアルコールの仲間です。

ドロドロしている怪しい物質とのイメージは、

真実から全く掛け離れた間違いなのです。


コレステロールは人体に不可欠な物質で、

その最大の働きは「細胞膜を作ること」です。

人間は約60兆個の細胞でできていますが、

たんぱく質と共にその膜を構成しているのがコレステロールです。

もう1つの役割りは「ホルモンの原料になること」です。


例えば、

人が転んで擦り傷を作ると瘡蓋ができて自然に治癒します。

この時、

肝臓から患部に急行して瘡蓋を作るのもコレステロールの役割りです。

破れた皮膚から異物が混入しないよう大急ぎで傷口を覆ってくれるわけです。

そのため全身に怪我をした直後に健康診断を受けると(そんな人がいるわけありませんが)、

血液の悪玉コレステロール値は物凄く高い結果になります。


コレステロール → ドロドロ → 動脈硬化 → 心筋梗塞 との連想がなされました。

1988年にアメリカでコレステロール悪者説を根拠に、

肉類をはじめ、卵や乳製品の摂取を控えさせ、

コレステロール値の高い人には低下薬を飲ませるというプロジェクトを始めました。

その結果、

アメリカ人のコレステロール値は驚くほど下がり、日本人より下がりました。

それなのにアメリカ人の心筋梗塞発症率は依然として高いままで日本人の3倍もあります。

国民の体を使って行われたこの国家プロジェクトは失敗に終わり、

この経験からアメリカはすでに、

コレステロール悪者説の間違いに気付き、

新たな説へと移行していきます。

「低カロリー・低コレステロール食を勧めても心筋梗塞は減らなかった。

だったらその間に食べていた別のものに問題がある」

と分かったからです。

調べてみると、

コレステロールを減らすためにステーキを避けた人達が、

代わりに食べていたのが炭水化物でした。


お腹の周りにつくのは脂肪です。

食べるのも脂肪です。

となると脂肪を食べたらお腹につきそうですが、

それは全くの間違いです。

お腹の脂肪は中性脂肪です。

しかし食事で中性脂肪を摂取しても、

消化という機能で分解されてしまうので、

お腹にはつきません。

食べた中性脂肪は小腸で分解されてカイロミクロンという物質になります。

このカイロミクロンの役割りは、

脂肪の吸収を抑えることです。

元々、脂肪だったものが体内に入ると、

今度は脂肪の吸収を抑える役割りに変わるのです。

こうして人体には脂肪の量を自動調整する働きが備わっているわけです。


コレステロールも同様に自動調整機能があります。

その働きによってコレステロールを多く含む食品を食べても、

体内にあるコレステロールの総量は変わりません。

体内のコレステロールの8割は肝臓で作られ、

残りの2割が食事からのものです。

たくさん食べても影響はないのです。


「低カロリー・低コレステロール食」では、

たんぱく質や脂肪分を抑えると共に、

野菜の摂取を勧めています。

その時、特に推奨されるのが、

ゴボウ、大根、キャベツなど繊維質の多い野菜です。

これも全くの間違いです。

繊維質は胃腸では消化できません。

食べてもそのまま排泄するしかないので便が大きくなるのです。

同じ茶色で識別しにくいのですが、

ゴボウなどは消化されずに便に含まれています。

分かりやすいのはトウモロコシで、

便と一緒に排泄されるのを見たことないでしょうか。

あれがいい例です。

大腸内視鏡検査を受ける方は前日の21時以降の食事が禁止となります。

さらに、

検査前の食事の注意として、

「野菜、海藻、果物、豆類が入った食事は避けて下さい」

などという通知もなされます。

内視鏡検査を受けた経験があるならご存知でしょうが、コンニャクもダメ。

野菜がダメなのですから、根菜もアウトです。

果物で言えばリンゴもバナナもアウトです。


ちょっと考えてみれば、これは矛盾した話です。

一方で、

「健康のためには野菜が1番。特に消化の良い繊維質を増やしましょう」

としておきながら、

もう一方では、

「繊維質は消化に悪いので、内視鏡検査の前には食べないで下さい」

です。

どちらが正解かといえば後者です。

現代医学では繊維質は消化できないということがハッキリ分かっています。

便秘症の方が便通を良くしようと、

繊維質のものをたくさん食べたらどうなるでしょう。

かえって便秘を促進してしまうだけです。

若い女性はサラダが大好きです。

コンビニやスーパーの惣菜売り場に行くと、

購買意欲のそそるパッケージで大量に並べられていますが、

それらは単に商魂であって、

女性の健康を考えてのものではありません。

女性がサラダを食べるのは、

健康のため、便通のため、あるいはダイエットのためなのでしょうが、

全ては逆効果です。

これもまた、

間違った情報を世間に流した誰かが悪いのでしょうが、

繊維質志向のベースにあるのが「低カロリー・低コレステロール食」の迷信です。

この間違った「低カロリー・低コレステロール食」は、

日本人の便秘を増やす原因になり、痔を増やす結果にもつながっているのです。


日本人の死因の過半数は生活習慣病です。

人が病気になる原因は、

1つのこともあれば複数の要因が重なることもあります。

それがインフルエンザだったなら、

インフルエンザウイルスに感染したのが原因と容易に診断できるのですが、

生活習慣病となるとそうはいきません。

例えば、

ガンを発症するまでには10年とか20年といった長い時間が掛かります。

その間、

その人がどういう生活をし、

どういう経緯をたどって発症に至ったのかを究明することは不可能です。

日本人の死因で多いのは、

ガン、心臓疾患、脳疾患の順です。

ガンが1位になったのは近年になってからで、

それは日本人の食生活が欧米化すると共に寿命が延びたことと深い関係があります。

長生きする人が増えたため、

ガンになる人も増えたのです。

若い頃にガンを発症するケースもありますが割合としては少数です。

40~50代から少しずつ増え始め、

70代になると一気に患者数が伸びるのがガンの特徴です。

明治や大正の時代、

日本人の平均寿命は40歳くらいでした。

つまりガンになりやすい年齢になる前に、

多くの人は亡くなっていたのです。


ガンは生活習慣病の1つに数えられます。

脳や心臓の血管の疾患も同じく生活習慣病です。


当然ながら生活習慣病は予防が可能です。





ここまで長かったので、

やっと何を食べればいいのかという話になるかとお思いでしょうが、

信じた方法でじゃないと人間は続けられません。

なぜ僕がこの方法に結論づいたのかを知ってもらわなければ机上の空論ですから、

僕も納得いくまで説明させて頂きます。





じゃあ何を食べればいいのか?

それにはヒトの体がどのようにデザインされているかの検証が必要でした。

太古の人々は何を食べていたのでしょうか。


400万年の人類の歴史では、

狩猟による食生活がずっと続いていました。

シカやイノシシを狩り、その肉を食べていたわけです。

狩猟民族は獲物を求めて移動しながら生活をします。

一部の人達は元々の移住地であるアフリカ大陸を離れ、

北側のルートと南側のルートをたどってユーラシア大陸を目指しました。

北に向かった人達は、

草も生えていないほど寒いロシアに住みつきました。

そこにはマンモスという食料があったからです。

さらに東に進んでアラスカまで行った人達にはアザラシがありました。

その子孫がイヌイットです。

こうして肉を食べることで、

人類は寒冷地でも生き残りました。

しかしいつでも獲物が取れる保証はありません、

しばらくして知能が発達してきた人類は、

その対策として食料の安定供給法を編み出しました。

それが牧畜です。

となると、

今度は家畜のエサが必要です。

そうして登場したのが、

農耕です。

400万年の人類史から見れば、

つい最近の1万年前の出来事です。

こうしてみると人類は肉食動物として進化を延々と遂げてきたわけです。

農耕が始まってからはわずか1万年ですから、

単純に引き算すれば人類の肉食時代は399万年。

僕達のDNAは、

草食を可能にするような仕組みの変換はまだ終わっていないと言えるのです。


ここで草食動物の代表として牛にを例に挙げます。

牛には胃が4つもあり、

いったん飲み込んだ草をもう1度噛んでから胃に戻すという食事法を取っています。

それによって細かく砕かれた草はやっと腸に到達します。

腸には特殊な細菌が飼われていて、

届いた草を発酵させる役割をしてくれます。

そこで得たビタミンやミネラルなどが牛の栄養源となるのです。

つまり牛は、

草の栄養分を消化して生きているのではなくて、

体内で作った「漬物」の栄養分を摂取することであの巨体を維持しているようなものです。

そのため、

牛の腸は60mもあります。

これは植物がそれほど消化しにくいものだという証です。

人間の胃腸はそんな特殊な機能など備わっていない点も、

草食向きの体とは言えない理由です。


動物と同じように、

植物も生活環境に合わせた進化を遂げます。

敵から身を守り子孫を残すための様々な方策も講じられています。

そのため、

多くの植物は毒を持っています。

野菜を煮るとアクが出ますが、あれも一種の毒で「シュウ酸」といいます。

現在、出回っている全ての野菜は食用にするため頻繁な品種改良を重ねた植物です。

栽培植物に関して言えば、遺伝子操作の産物です。

長い時間をかけて変化させてきたか、

短い時間で実験室で変化させてきたかの違いはあっても、

本質的には遺伝子組み換え大豆と、

麦や米に違いはないわけです。

遺伝子組み換え大豆には多くの人が目くじらを立てますが、

麦や米は誰も危険な食べ物だとは思わないのは、

化学的に見ると少々おかしな現実だと言えますよね。

シュウ酸を減らす改良がなされているのですが、それでもゼロではありません。

シュウ酸を減らしたため害虫に弱くなり、大量の農薬も使われています。

ジャガイモとニンジンは16~17世紀に日本に伝わりました。

ようやく江戸時代が始まった頃です。

玉ねぎはもっと近年で、明治時代も末になってから。

カブ、ゴボウ、大根などは6~7世紀の伝来ですが、

いずれにしても日本人が野菜を食べるようになったのは、こんなに最近の出来事なのです。

古代にはこんな近代的な食用野菜は存在しません。

おそらく、

野草を食べて食中毒で亡くなるような出来事が何度もあったと思います。

シュウ酸は大量に食べると、

様々な体内物質と結合してしまい、

腎臓や尿管の結石になる可能性があります。

シュウ酸にはまた、

カルシウムや鉄などのミネラルと結合し、

その吸収を妨げる働きがあります。


本来、肉食動物である人間が無理して草食すると、

様々なトラブルが起こります。

人間が野菜を食べることはヘルシーなようでいて、

実は自然の摂理に反したおかしな話なのです。


日本は奈良時代から明治維新に至るまで、

度々、肉食禁止令が出されました。

これは世界でも珍しい国だそうです。

このことも日本人を草食化する要因になりました。

中でも米が重視され、

江戸時代には貨幣と同じような扱いをされました。

以来、国民には米を大事にする文化が育ちました。

正月には餅を食べ、

風邪をひいたらおかゆ、

保存食はおにぎりです。

今でこそ1日3食ですが、そうなったのはつい最近のことです。

戦前の食事は麦飯に1汁1菜が当たり前で、

イモ類、根菜類、高野豆腐などがよく食べられていました。

その麦でさえ、イモしか食べられない家庭から見れば贅沢品でした。

米のご飯は幻の食べ物です。

こうして白くてキレイな米は庶民の憧れになりました。


これは現代日本人にも強く根付いています。

もう1つ、最近の日本人に特徴的なのは麺類の人気ぶりもあります。

米を信仰する日本人は、

麺類の消費も増やしました。

もともと肉食が禁止されてきた歴史を持つ上に、

昨今のヘルシー志向で肉を食べたら太るの連呼です。

こうして肉を食べずに米や麺類ばかりを口にする国民性が育ったのが現代の日本です。


日本は世界一の長寿国です。

1947年(昭和22年)の平均寿命は、

女性53.9歳、男性50.0歳でした。

明治時代は37歳程度で、

大正時代にやっと40歳以上になったのです。

戦後の急速な寿命の延びは他の国と趣が異なります。

アメリカ、フランス、オランダなどの平均寿命は、

1950年時点でも70歳前後でした。

それらの国々が戦後60年間で平均10年程しか延ばしてないのに対し、

日本は30年も延ばしたのです。

理由は動物性たんぱく質摂取量の大幅な増加です。

つまり肉食の急増にありました。

こうして近代日本人の食生活はヒト本来のデザインに沿ったものに戻り、

だからこそ平均寿命を大きく延ばしたと言えます。

僕はテレビのスポーツ中継を見るたびに、

日本人の体格が良くなり、

例えば最近のフィギュアスケート選手などは手足も長く、とても美しく見えます。

欧米の選手と比較しても全く見劣りしなくなりました。

これは米と野菜を食べてそうなったのではありません。

平均寿命の伸びと同様に、肉食のおかげで体格が良くなったのです。

全国の肉消費量が少なかった時代にも、

沖縄県だけは本土と異なる食文化を持っていて、

ヤギや豚を食べる習慣がありました。



※肥満率が上がり、成人病患者数が増えているのは、

日本人が摂取する主食(炭水化物=糖質)の量が多過ぎるからにほかなりません。



大雑把に言えば以上になります。

厚生労働省の2008年調査で、

人口10万人当たりの糖尿病患者数で全国ワースト1になった都道府県は香川県でした。

そこには香川県の人達が大好きな讃岐うどんとの関係があるのではないかと考えてしまうのは、

僕だけでしょうか。



炭水化物を食べると体内でブドウ糖に分解され、

膵臓がインスリンを分泌してその吸収を助けます。

炭水化物を大量に食べれば、

その分、大量のインスリンが必要です。

ここで考えなければならないのは、

そういう食生活を10年、20年、30年という長期間にわたって続けていると、

インスリンの効果が薄れてしまうことです。

この状態を「インスリン抵抗性」といいます。

インスリン抵抗性になると、

さらにインスリンの分泌が必要になります。

すると、

体は脂肪を蓄積しようとする方向に傾きます。

脂肪を蓄積しやすく、

分解しにくい状態にしてしまうわけです。

ここまでくると、もっと厄介なことが起きます。

内臓脂肪の蓄積によって、アディポサイトカインというホルモンの分泌異常が起こり、

インスリン抵抗性をさらに増強してしまうのです。

アディポサイトカインは脂肪細胞が分泌するホルモンの総称で、

人体機能を調節する働きを持つ物質です。

これまで約30種類が発見されていて、

中には肥満やメタボリックシンドロームに大きく関わる物質もあります。

代表例を少し上げます。



【TNF-α】

体内の炎症を促進させると同時に、インスリンの働きを低下させる。


【アンギオテンシノーゲン】

血管を収縮させ、血圧を上昇させる。


【PAI-1】

血液を凝固させ、血栓を作りやすくする。



なかなかの悪役ぞろいではありませんか?


肥満 → 糖尿病・メタボリックシンドローム → 動脈硬化 → 脳卒中・心筋梗塞・ガンなどの致死性疾患を、

思い切り促進させる物質ばかりです。

炭水化物の大量摂取は、

膵臓を疲れさせてしまうばかりでなく、

こんな悪影響も引き起こしてしまいます。

体調悪化の悪循環です。

加えてインスリン抵抗性は異常なほどの空腹感を生み出します。

体内では糖代謝異常、高血圧、脂肪肝などが進行しています。

ところが本人は食欲もいたって旺盛なのだからと、

病気を自覚することなく大食いに突っ走ります。

長期間続ければやがて全身の動脈硬化が進み、

ガンや脳卒中、心筋梗塞への坂道を転げ落ちていくだけです。

インスリン抵抗性にならないためには何をすべきか。

もうお分かりだと思いますが、

炭水化物の摂取量を減らせばいいのです。


では毎日の食事をどうするかと言うと、

基本的な考え方は、

肥満や糖尿病、生活習慣病の原因となる炭水化物を食べなくするというものです。

従来の“常識”である「低カロリー・低コレステロール食」と真っ向からぶつかる理論ですが、

現在は肯定的な意見が多くなりました。

僕としては太古から続いた人類の食事が肉食であり、

糖質(炭水化物)がゼロだった事実から見ても、

糖質制限食は理に叶っていると考えています。


そこには様々なメリットがあります。


まず、空腹を感じなくなります。


炭水化物をたくさん食べると、食後の血糖値が急上昇します。

そこで膵臓がインスリンを大量に分泌して対応し、

糖分の処理を無事に済ませてくれます。

このとき体内は、

“急に上がった血糖値が、今度は急にグッと下がった状態”になっています。

そこで脳が何をするかと言えば、

なんと!!

再び空腹のサインを出すのです。

人間には、

炭水化物を食べてお腹が一杯になっても、

すぐに空腹を感じる仕組みが備わっているというわけです。


炭水化物の無い食事では、

このように血糖値が乱高下することはありません。

空腹感も安定するので、

食事をしたすぐ後に“小腹がすいた”と何かをつまんでしまうような間食もなくなるのです。


人間が生きるために必要な3大栄養素は、

「たんぱく質」「脂質」「糖質」です。

糖質はもちろん炭水化物と同義です。

3つのうちたんぱく質と脂質は必須栄養素といって、

体内で合成することができないために、

食事から摂り入れなければならないものです。

残る糖質はというと、

必須栄養素ではありません。

つまり、

糖質が無くても人間は生きていけるのです。

それなのに炭水化物を主食にしている現代人は、

大きな矛盾の中で生きているようなものです。


こう書くと栄養学に詳しい人はこう思うかもしれません。

「脳の活動に必要なエネルギーはブドウ糖だけのはず。

それを摂取しなかったら思考も行動もできなくなるのでは?」


残念ながらそんなことはありません。


確かに脳の活動エネルギーはブドウ糖ですが、

人体はそれ以上に高度な仕組みを備えています。

食事からブドウ糖を得ることができないと、

たんぱく質と脂質からケトン体という物質を合成し、

それをエネルギーとして使う特別処置がなされているのです。

これまで実施された研究では、

炭水化物を摂取しない食生活を続けても、

ケトン体だけで脳や体に問題なく暮らせることが判明しています。

つまり普段の食事から炭水化物を完全に排除しても、

人間は健康でいられるわけです。


何より炭水化物無しの食生活は古代の人々と同じです。

人体に優しいエネルギーはブドウ糖ではなくケトン体の方だと言えるかもしれません。

ただし、肝臓と赤血球だけはブドウ糖しか利用できません。


主食ばかりの食事には肥満と、

もう1つ大きな欠点があります。

人間が食事で摂取するべき栄養素が決定的に不足してしまうことです。


では、

どういう食生活をすれば健康でいられるのでしょうか。


僕は肉・卵・チーズを積極的に食べることを推奨しています。


1日食べる量の目安は、

肉200g、卵3個、チーズ120g。

多いように感じるかもしれませんが、

これだけ食べても糖質はほぼゼロで太るようなことはありません。


肉は、

牛肉でも豚肉でも鶏肉でも構いません。

厳密に言えば、それぞれの栄養分はずいぶん違いますし、

同じ肉でも部位によってかなりの開きがあります。

しいて言えば豚肉を勧めたいですが、

目的はたんぱく質の摂取にあるので単に「肉」としています。

豚肉の脂身や鶏肉の皮を取り除く必要はありません。

そんなことしたら大切な脂質を捨てることになってしまいます。


卵は茹でても焼いても炒めても構いません。

1度に3個まとめて食べてもいいし、

3食に1個ずつ分けて食べても構いません。

もっと食べたければ4個でも5個でも食べて下さい。

卵をいくら食べても体にコレステロールはつきません。


チーズはプロセスチーズでもチェダーチーズでも何でも結構です。

6個入りの円形パックのものがちょうど120gです。

味や形の違うタイプのチーズを買っておいて、

食後のデザート代わりにしたり、

おやつとして少しずつ食べたりすれば大丈夫です。


すぐわかる栄養成分ナビゲーターで「肉」「卵」「チーズ」を見てみて下さい。

比較対象としておにぎり(うるち米製品)を加えて。

全ての重量を150g(卵3個分)に揃えて、肉は牛肉と豚肉を同じ肩ロースで。


【すぐわかる栄養成分ナビゲーター】

http://www.glico.co.jp/navi/


「肉」「卵」「チーズ」はほぼ全ての項目が埋まるのに対して、

おにぎりはゼロの項目がずいぶん目立つはずです。

炭水化物含有量にも天と地ほどの開きがあります。

どちらが優れた食品であるか一目瞭然ではないでしょうか。

「肉」「卵」「チーズ」は、

「低カロリー・低コレステロール食」が目の敵にしている食品です。

でもその理論が間違っていることは説明しましたし、

医学でもすでに証明済みです。


長い間信じられてきた経緯はありますが、

古い考えをもうバッサリ捨ててしまいましょう。


僕らの体は主にたんぱく質でできています。

それならたんぱく質をたくさん摂るのが自然な流れのはずです。

卵はいずれヒヨコが生まれる完全栄養食品です。

さすがに豚や牛は体の一部である肉しか食べられませんが、

卵はニワトリの全身を食べているのと同じで、

これ以上のものがないほど優れたバランス栄養食です。

しかし「低カロリー・低コレステロール食」での卵の扱いは全く酷いもので、

「コレステロールが多過ぎ」とか「脂質のかたまり」といった評価なのですが、

それだけたくさん含んでいるからこそ積極的に食べるべきなのです。


チーズは乳製品の代表です。

乳製品といえば牛乳ですが、

ちょっとだけ炭水化物が含まれているので、

僕はチーズを推奨しています。

でも僕ら哺乳類は皆、母乳で育ちますし、

欲しがって元気に泣く赤ちゃんに制限を加えるのもナンセンスなので、

僕はそれを大人に当てはめ、

チーズも食べたいだけ食べていいとしています。

乳製品も卵と同じく優れた食品です。

ただし、どちらもビタミンCが含まれてないので、

ビタミンCは肉か葉野菜から摂って下さい。

葉野菜は野菜のいいとこ取りです。

どうしても野菜が食べたければ葉野菜を食べて下さい。

根菜は糖質が多いので避けて下さい。

北海道では大根から砂糖を作ります。


この食事で得た満腹感は、

炭水化物を食べて胃が膨らんだだけの物理的満腹感ではなく、

脳が栄養に納得して得られた満腹感。

「肉」「卵」「チーズ」と野菜なら葉野菜を食べれば、

人体が必要とする栄養素を全て揃えて摂取できるので、

脳が満足してくれるのです。

食後血糖値も上がっていないため、

次の食事までお腹がすくことはありません。


日本人が世界一の長生きである理由は、たんぱく質の摂取増にありました。

その事実を知らず、

和食のおかげだと思っている人は今でも多いのです。

同じ理由から玄米などの粗食を有り難がる考え方の人もいます。

しかし国民が粗食をしていた時代の日本は平均寿命世界一ではなく、

反対に低寿命の国でした。

これだけ見ても粗食には何もメリットが無いことが分かります。


ところで、

ビタミンを多く含む食品といえば、

多くの方が果物だと思うはずです。

しかし、

実は果物にビタミンはそれほど含まれていないのです。



では、

すぐわかる栄養成分ナビゲーター】で、

粗食の代表である玄米とゴボウ、

果物の代表として例えばグレープフルーツ、

比較対象として卵とベーコンを入れて、

全て100gで重量を統一して見て下さい。



どうですか?

グレープフルーツの欄を見て頂くと分かるように、

ほとんどのビタミンがゼロか、それに近いことがお分かり頂けると思います。

ビタミンA、D、K、B12は全く含まれていません。

ビタミンCこそ含まれていますが、

ベーコンとほぼ同量です。

ゴボウは全体の97%が水分と炭水化物だけです。

ゴボウもグレープフルーツと同様にビタミン類は惨憺たる状況ですし、

玄米は74%が炭水化物です。

粗食の材料としてよく使われる大根、コンニャク、納豆なども、

ビタミンやミネラルにゼロが並ぶ食品です。

一方、

卵とベーコンは、ほぼ全ての栄養素が揃っています。

それらを中心に食事をすれば必要な栄養素が摂取できるというわけです。


粗食にはデメリットしかありません。



従来の「低カロリー・低コレステロール食」では、

就寝前の食事など、とんでもない話です。

でも僕はこれも大きな間違いだと思っています。

寝る前に卵やチーズを食べれば、

睡眠中の体内で行われる出来事をサポートできるからです。


意外と思うかもしれませんので、

少し踏み込んで睡眠の役割りを書いていきます。


人がなぜ眠るのかといえば体を休めるためです。

人は病気やケガをしたときにはベッドで横になると思いますが、

日常の睡眠もそれと全く同じです。

昼間の活動で酷使した脳や体を眠ることで休息させるのです。


僕らの脳や体は、

健康なときでも毎日少しずつ故障していきます。

あちこち故障すれば不具合も起きます。

本人に自覚は無いのに毎日どこかが少しずつ故障していくわけです。

その故障をいつ修理するかといえば眠っている間です。

そのため、

ゆっくり横になって活動を休む時間が睡眠というわけです。

腐ったミカンが1つあると、箱の中のみかんは全部腐ります。

だから腐ったみかんを見付けたらすぐに捨てなければなりません。

人体もこれと同じで、

古くなった細胞をどんどん捨てて、新しい細胞に入れ替える必要があります。

古い細胞を放置しておくと、そこから組織が腐っていってしまうからです。


ここで思い出して頂きたいのがコレステロールの役割り。

ケガをすると肝臓から患部に急行して瘡蓋を作ってくれましたよね。

そして新しい細胞を作るための材料となるのがコレステロールでした。

睡眠中に故障を修理するのですから、コレステロールの補給が必要です。

だったら寝る前にチーズや卵を食べればいいのではないでしょうか。


人が生きるということは、

体を毎日更新すること。

リセットではなく、新生です。

それを促すためにも、

たんぱく質と脂質の摂取が不可欠。

そうしてきちんと体の更新を重ねていくと、

人間の体は長くもつようにデザインされ、

逆に更新を怠れば死がやってくるだけです。



昨今のヘルシー志向は動物性食品を否定しています。

従って、

動物性脂肪よりも植物性脂肪を歓迎する傾向にあるようです。

これも間違った理論の影響です。


戦後、

たんぱく質と共に動物性脂肪の摂取を大きく増やした日本人は、

世界でも類を見ないほどの勢いで平均寿命を延ばすことに成功しました。

それを思い出せば植物性脂肪より動物性脂肪の方が優れていることが分かります。

となると、

マーガリンよりバターの方が優れているということになります。

それと同じ理由から、

普段から料理に使う食用油も植物性(サラダ油など)ではなく動物性のものを選んで下さい。

食用油は毎日使うのでかなり体に影響してきます。

残念ながらスーパーの売り場に並んでいるのは植物油の方が多いのですが……。


もう1つ覚えておいて頂きたいのは「トランス脂肪酸」の問題です。

植物油をベースに水素を加えて固めたもので、

その代表はマーガリンとショートニング。

ショートニングはお菓子とケーキによく含まれている油で、

ファストフード店でポテトフライを揚げるのによく使われています。

トランス脂肪酸は化学合成された油です。

それが体にいいはずもなく、

動脈硬化をはじめとする生活習慣病に繋がる原因と言われています。

欧米ではすでに使用が禁止されている国もあるほどなので、

絶対に避けるようにして下さい。


では普段の調理油として何を使えばいいのかと言うと、

お勧めは「ラード」です。

原料は豚の脂肪ですから、化学合成とは無縁。

その点でも安心です。

ちなみに、

健康的な植物油としてよく取り上げられるものにオリーブ油があります。

これは残念ながら、

他の食用油に比べて発ガン性が高いことが実験で分かっています。

もちろんオリーブ油を食べたら即刻ガン発症というわけではありませんが、

できれば避ける方が無難です。



最後に、

何を食べるにも1口30回噛んで食べて下さい。

どうしても飲み込んでしまうなら、

口に食べ物を入れたら箸を置いて噛み始めると、

30回噛んで食べられるようになります。



ここまで長文になったのは、

従来の「低カロリー・低コレステロール食」とは懸け離れた食事法の、

意味と本質を分かってもらって実践して欲しいからです。

ほとんどの人が自分の食事に対して、

実際にどのくらいの栄養があり、

根拠がこうだから体にいいなどと自分で検証したことはないと思います。

そこに付け込んだ広告代理店とメーカーが作った番組やCMを見て思い込んでいる人が多いのです。


ここまで読んでいただいても、

「野菜を食べないとバランスが狂うのでは?」

とまだ思っていることでしょう。

食事のバランスを整えるという言葉の意味は、

すぐわかる栄養成分ナビゲーター】の栄養成分表に書かれた、

全ての栄養素を摂取するということです。

今回詳しく説明しましたが、

穀物、果物、野菜でそれをするのはほぼ不可能です。

意外かもしれませんが、

果物はそれほどビタミン類を含んでおらず、

肉の方が多く含んでいるのです。

つまり少なくとも栄養成分表に載っている栄養素を食事で揃えるためには、

肉や卵やチーズを食べるのが最も簡単な方法だというわけです。

それ以外の栄養素も存在してはいますが、

食べるのはそれらよりも先に、栄養成分表に載っている栄養素を全て摂取する方が先決です。

野菜に関しても以上と同じ考えです。

とはいえ現実的に見て、

野菜を完全に除いた食生活をしろというのはナンセンスな話です。

なので、

「肉」「卵」「チーズ」を食べて必要な栄養素を全て摂取してから、

野菜を食べればいいのです。



長文失礼いたしました。

この食事法を説明するにあたって、

納得していただくとなると、

短くまとめても長文になってしまいました。

しかし、これは事実であり、

今まで信じていた食事法を根底から覆し、

納得していただくためには、

太古の話から色々な検証を絡めて書くしかありませんでした。


これを読んでまた質問等がありましたら遠慮なくメールして下さい。




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Posted by ブラックジャックの孫 at 13:25 │間違いだらけの食生活