2017年04月21日

セカンドオピニオンの歴史



間 黒助です。




ここ数ヶ月、多忙で記事が全然アップできていません。

しかし、メールのご相談にはちゃんと返信していますので、

ガン治療に対してのご質問やご相談は、

遠慮せず些細なことでもいいので、

いつでもメールされてください。






僕がこの 『 間 黒助 ガン治療研究ブログ 』 を開設したのは、

2012年10月のことでした。


セカンドオピニオンとは、

患者さんがより適切な治療の選択をするために、

現在の担当医とは違う別の医師に第2の意見を求める行為です。

そして、

ガン治療に関する些細な質問や、

ガン治療に対する質問をメールで受け付ける、

ネット上でのセカンドオピニオンの窓口になれればと、

『 間 黒助 がん治療研究ブログ 』 を開設した所存です。


本当に手術を受けなければならないのか?

抗がん剤治療は必要なのか?


これまで多くのガン患者さんやその家族から、

様々な相談を受けてきました。

その度に、

まずはセカンドオピニオンを受けるように進言しますが、

残念ながら、

一般的に広く実施され、

提供されているセカンドオピニオンが、

ガイドラインというマニュアルに沿っていて、

どこも同じという現状があります。


ガンの患者さんやその家族は、

現状に疑問や不安や不満を抱いてるからこそ、

わざわざ別の医師のもとを訪ね、

「他に方法はないのでしょうか?」

と尋ねているのです。

本来、

それらの要請に応えるのがセカンドオピニオンのはずですが、

現実には、

どこに行っても同じ意見が返ってくるだけです。

ことガン治療に関する限り、

一般的なセカンドオピニオンは、

有名無実化している感が否めません。


なぜこんなことになったのでしょうか。


ガン治療を歴史的に振り返ると、

まずガンを告知しない時代から、

ガンを告知する時代に変わりました。

それから患者さん達は自分の置かれてる立場を知り、

治療にも前向きになっていきました。

ガン告知は現在、当たり前になりましたが、

告知が始まると、

患者さん達の間に、

あちらの病院に行ってみたり、

こちらの病院へ来てみたりと流動化が見られるようになりました。

ガン告知を受け、

患者さん達が、

もっといい治療法はないのか?

もっといい医師はいないのか?

などと考え始めたからです。


昔の医師達は、

個人の思い込みとか、

先輩から伝え聞いたりとか、

およそ科学的とは言い難い勘や経験などを頼りに、

治療を行っていました。

信じられないかもしれませんが、

それぞれの医師や病院の間で、

治療の統一が図られることはなく、

ガンの告知で流動化した患者さん達は、

混乱の中に放り出されていました。

当時の医師達自身も、

治療法の統一が図られていないことに疑問を感じていました。

欧米でいうところの科学的根拠に基づいた医療(エビデンス)、

いわゆる『 EBM (エビデンス・ベイスド・メディスン)』という言葉に、

関心が向けられるようになってきました。


EBM の世界では、

エビデンスのレベルがランク付けされています。

最も信頼が高いとされているのは、

大規模なランダム化比較試験の結果です。

ランダム化比較試験とは、

クジのような方法で患者さんを公平に2つのグループに分け、

治療法などの効果の違いを比較する臨床試験です。


以下、

小規模なランダム化比較試験、



ランダム化されていない(公平性に劣る)比較試験



それ以外の研究法



医師らの意見


といった順に、

エビデンスの信頼度は低くなっていきます。


そしてこのランキングを見た医師達は、

自分達が治療の根拠としてきた勘や経験が、

エビデンスとしては最下位にあたる、

“ 医師らの意見 ”

にすぎないことを知って仰天したのです。


その後、

海外の比較試験を参考にしたり、

国内で比較試験を実施したりして、

日本でも科学的根拠に基づく、

ガン治療の整備と統一化が図られていきました。

ガン種別の治療法などが記されている現在の治療ガイドラインは、

このような経緯のもと、

各ガン関連学会が主導する形でまとめ上げられたものです。


手術、放射線治療、抗がん剤治療の三大療法をはじめ、

ガンの標準治療(現時点で最も有効と考えられている治療法)も、

こうして整備されてきたものですが、

ガンの治療をする医師達が、

EBM 構築のために実施したり参考にしたりした、

比較試験などのデータは改ざんされたものが多く、

EBM 構築とともに肥大化させてきた標準治療の権益を守るため、

自分達に都合のいい治療法を患者さん達に押し付けていた事実があります。


その結果、

ガン専門病院や大学病院などで提供されるセカンドオピニオンは、

どの病院のどの医師に聞いても、

中身は全く同じということになってしまいました、

医師や病院によってバラバラだった治療法の統一化が、

セカンドオピニオンを有名無実化にしてしまいました。




つづく。




セカンドオピニオンの歴史






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そんな少しのことで今後が、未来が変わるかもしれません。


僕がご相談やご質問に対してどう返答しても決めるのは自分です。

そのためには少しでも情報を集め、

後悔しない選択をして下さい。


少しでもお役に立てればと思っております。




間 黒助







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Posted by ブラックジャックの孫 at 16:23 │日本の医学界