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2021年08月31日

がん治療での日本と世界の乖離 日本で「手術」が多く「放射線治療」が少ない背景



間 黒助です。




先日こんなニュースがありました。






国民皆保険という制度により、

誰もが平等に、安心して医療を受けられる日本。

しかし、その裏で、

世界の常識と日本の常識がかけ離れている一面もある。

特に、がん治療においては、

日本だけが手術の数が圧倒的に多いという不可解な現状があるという──。


日本人の半数以上が一生に1度は経験するという、がん。

家族が患うことも考えれば、

もはや、全く関わりのない人はいないといっていいだろう。

しかし、ひと昔前は“不治の病”といわれていたが、

現代では医療の進歩によって、

通常の生活を取り戻す人もかなり増えてきている。

がんに罹患することと、

それを治療することは切っても切り離せず、

治療法の選択によっては、

その後の人生に悔いを残すこともあるようだ。


千葉県に住む主婦の飯田文子さん(65才・仮名)は、

15年前に受けた子宮頸がんの手術について、

「今でも心に引っかかるものがある」と明かす。


「早期の子宮頸がんだとわかり、

担当医師からは手術を提案されました。

自分なりに調べたところ、

放射線治療の方が副作用が少なく、

体への負担も軽いと知ったのですが、

医師は一方的に治療法を決め、

母と夫までもが揃って『放射線治療は危ない』」と、

原爆の後遺症の恐ろしさを持ち出して頭ごなしに猛反対されました。


外科手術を受け、

その後も元気に暮らしているので結果的によかったですが、

患者本人である私の話を、

誰も聞いてくれなかったことへのショックがいまも残っています」


もちろん命が助かること以上の望みはない。

しかし、日本では手術が一般的であるのに対し、

欧米では早期の子宮頸がんの8割が放射線や抗がん剤による治療だ。

年齢や体力、その後の生活を考えたとき、

外科手術がつねにベストなのか考慮し、

他の治療法を検討するのはごく自然なことといえる。


<「生存率が下がっても手術は避けたい」の声>

日本では“外科手術至上主義”ともいうべき現状がある。

それを示すこんな調査がある。

先進国における肺がん(ステージI)の患者が受けた治療を調査したものだ。

その数字を目で追うと、不思議なことに気づく。


アメリカでは手術が60%に対し放射線治療が25%。

イギリスでは手術が53%、放射線が12%。

オランダでは手術が47%、放射線が41%、

などとなっているのに比べ、

日本では手術が95%、放射線治療は5%と、

手術の割合が大きいのだ。


諸外国と日本の差について、

大船中央病院放射線治療センター長で医師の武田篤也さんが言う。


「それぞれの国で行われている治療法の違いには、

各国の健康保険制度の有無や、

国策なども関係しているのではないかと推測できます。

日本における手術の割合がここまで多いのは、

唯一の被爆国として知らず知らずのうちに植えつけられた、

放射線に対する抵抗感が関係しているのかもしれません」


さらに武田さんは、

医師の専門分野ごとの気質の差も一因ではないかとし、

こう説明を続ける。


「あくまで肌感覚ですが、

同じ医師でも外科医、内科医、放射線治療医では性格が違う。

すなわち、外科医は体育会系で元気がいいタイプ。

内科医は頭がよくて明晰な人が多い。

それに対して放射線治療医は、

よく言えば患者に寄り添うタイプ、

悪く言えば優柔不断な人が多いように思える。

それは学会のあり方にも表れており、

外科や内科の学会は全国の治療成績を公表しているが、

放射線治療科ではそれを行っていません」


がんが発見され、

様々な検査を経て病気のステージングを決定するまでは、

患者の対応は主に内科医の仕事となる。

そこで手術が最善の治療であると判断されれば、

患者は放射線治療医に話を聞く機会すら与えられないことも多いという。


例えばスポーツマン風の外科医に爽やかな笑顔で、

「切っちゃいましょう」

と言われ、そのまま従ってしまう患者もいるだろう。

一方、

放射線治療医があまりアピールが得意でない場合は、

患者に説明する機会が与えられないという可能性もある。

あるいは患者自身が、

「手術が根治治療、放射線は緩和治療」

と考えているケースもある。

海外では、

手術と放射線治療が同等レベルの選択肢として存在しているのに、

日本では必ずしもそうではないのかもしれない。

手術の負担の大きさを嫌う人は多いとはいえ、

放射線治療のメリットは小さくない。

先の各国調査でいう「放射線治療」とは、

「体幹部定位放射線治療」という治療法を指している。

これはピンポイントでがんの部位だけを焼くような手法のことだ。

前出の調査の対象となった肺がんに限らず、

肝臓がんや前立腺がんなどでも行われ、

保険適用である。

メスを入れて体の組織を切除するわけではないため、

体への負担が少なく、入院も不要なことが多い。


「仕事までの復帰期間も異なります。

早期肺がんの体幹部定位放射線治療であれば、

通院で5回、1回30分程度なので、

5日ほど会社を半休するくらい。

手術の場合は、

オペ自体が3時間ほど、

入院期間は1週間ほど。

自宅静養も含めると1ヶ月ほど仕事を休むことになります(武田さん)」


仕事への支障がここまで減らせるなら、

手術は避けたいと考えるのも普通だろう。


「私達が手術と放射線治療の両方を受けたことがある人を対象に、

『どちらの治療を受けたいか』

とアンケートを行ったところ、

生存率が同等ならばほとんどの人が放射線治療を受けたいと回答しました。

80才以上にいたっては、

『生存率が20%低下したとしても放射線治療を選ぶ』

と答えた人が半数を軽く超えており、

手術による負担が患者にとっていかに大きいかを考えさせられます(武田さん)」


患者の本音に耳を傾ければ、

こんなにも多くの人が手術を避けたがっていることがわかる。

それなのにこれほどまで多くの日本人が、

手術を受けることを余儀なくされるのはなぜだろうか。

医療経済ジャーナリストの室井一辰さんはこんな見立てをする。


「日本では今も外科医が強いという土壌がある。

それはがん治療においても同様で、

近年でこそ腫瘍内科という専門科ができましたが、

歴史的に見れば外科医が抗がん剤治療をしていたくらいです。

ですが、最近の医療技術の発達は目を見張るものがあり、

薬物療法、放射線や重粒子線など、

外科医が片手間でできなくなってきています」


日本以外の先進国では、

「放射線治療は危険」といった意識はなく、

むしろ放射線治療に舵が切られ始めている。

その理由を室井さんはこう説明する。


「手術は執刀医だけで行えるものではなく、

手術の補助、熟練の麻酔医や看護師も必須。

手術後のリハビリも必要で、

色々人手がかかりコストもかかる。

その点において放射線は体を切らない分、人件費を絞りやすい。

海外では国民皆保険の国は少なく、

日本ほど医療費をかけられず、

そもそもの手術費用も日本より高い。

手術での治療をしたくても、

日本ほど気軽に受けられないというのも本音なのです」


武田さんも言い添える。


「放射線治療は比較的安く受けられる治療です。

こうしたメリットをアピールできれば、

厚労省はもっと放射線治療を推し進める方針を取るかもしれません。

そもそも標準治療とは

“比較試験により生存率が最も高いことが証明された治療法”

なわけですが、

その比較試験は体力のある患者さんを対象としたもの。

患者さんの体調や併せ持つ持病、

年齢、嗜好まではあまり考慮されていません。

皆保険制度によってベターな選択にはなっていますが、

患者個人にとってベストかはまた別、というのが現状です」


<QOLを最優先する選択があってもいい>

日本の多くのがん治療では、

外科手術が標準治療として推奨され、

命が助かるかどうかを基準に考えれば、

手術の方が選ばれやすくなるのは否めない。


「ただし手術を受けた方がQOL(生活の質)が低下することは考えられます。

食道を切除した患者さんが食後に横になることもできず、

不自由な思いをすることもある。

それならば放射線治療を選んだ方が、

自分らしい生き方ができたかもしれない。

また喉頭がんなどでは、

切除手術をしたことによって会話ができなくなることもある。

がんはただ治療すればいいのではなく、

本人の生き方に沿う多様性が重要になっています(室井さん)」


海外ではコストのかかる手術を、

経済的な理由で受けられない場合があることはすでに論じた。

だがそれだけでなく、

医師と患者が納得して治療法を決めていることも、

放射線治療と手術の割合が拮抗していることに関係すると考えられる。


室井さんが言う。


「医師側から患者に病状や治療法を説明する、

“インフォームドコンセント”ではなく、

医師が患者の治療選択を助ける形での意思決定が大事。

残念ながら日本では、

アメリカのような“患者による意思決定”ができておらず、

手術が選ばれている一面があることは事実です。

さらにいうと、

日本は国民皆保険なので、

医師が患者に説明したからといって、

医師の収入につながらないという問題もある。

日本人は“タダ”や“お得”を好む国民ですが、

本来、命を左右する医療に関してまで、

お得さを求めるのは、おかしな話です」


武田さんも、患者側の問題をこう指摘する。


「最近は医師と協力して話し合いをした上で決めたいとか、

個人的にインターネットなどで情報収集をして意思決定する、

などのケースも増えてきていますが、

圧倒的に多いのは『治療法は医師に決めてほしい』という、

旧来の医師と患者の関係を求める人たちです」


医師任せにすると、

何か問題が起きた場合、

後悔や恨みが残ることが多い。

とはいえ、

自分で選択するとなると迷いが生じることもある。


「最近は病院にセカンドオピニオンの窓口が準備されていることも多い。

治療法を迷った場合、

腫瘍内科医などに意見を聞くのもひとつの案です(室井さん)」


生き方が多様化する現代では、

「どう生きたいか」を優先し、

自ら治療法を選ぶことも一考すべき時期に来ているといえる。




<8/15(日) 16:05配信 ニュースポストセブン>




がん治療での日本と世界の乖離 日本で「手術」が多く「放射線治療」が少ない背景




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<パラヒドロキシベンズアルデヒドをお送りし始めて8年が経ちました>

https://kurosukehazama.ti-da.net/e11763190.html






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