2013年02月17日
発ガンの原因として遺伝は何割程度か
間 黒助です。
遺伝子には発ガンしやすいものがありますが、
この遺伝子を片親からだけ受け継いでもガンにはならず、
両親から引き継がないとガンは発生しないと見られています。
遺伝的関係の強いものに、
家族性大腸ポリポーシスのガン化、
家族性乳ガン、遺伝性メラノーマ、網膜芽腫、多発性内分泌腫瘍などがありますが、
それほど多くはありません。
兄弟にガン患者のいる人がガンになる確率は、
全体ではいない人の約2倍と見られていますが、
兄弟と同じ種類のガンになるとは限りません。
兄弟にガンが多くても、
両親からガンになりにくい遺伝子を受け継げばガンにはなりにくいのです。
一方で、
兄弟にガン患者がいない人でも、
両親からガンになりやすい遺伝子を引き継げば、
ガンになりやすいと言えます。
結局は、
体質と発ガン刺激の両方によってガンになるのですが、
全体では、
遺伝的体質が2、3割、
喫煙、感染、飲食などの後天的環境因子が7、8割と言われています。
双子を対象にした北欧での研究によれば、
遺伝的体質の関係が深いのは、
前立腺ガン(42%)、大腸ガン(35%)、乳ガン(27%)という報告があります。
これらのガンでも環境因子の方が大きいのです。
細胞の核のDNAが同じである一卵性双生児が同じガンになる確率は10%程度ですから、
これを見るに、
生まれた後の食生活などのライフスタイルの方が大きいことが分かります。
最近では、
遺伝子解析をすれば、
ある病気にかかりやすいかどうかだけでなく、
アレルギー疾患用の薬が体質に合うか合わないか、
どんなタイプの肥満になりやすいか、
などまで色々と分かるようになりました。
ガンになりやすい遺伝子を持っているかどうかも分かり、
比較的、遺伝と関係がある前立腺ガン、大腸ガン、乳ガンなどについては、
希望すれば検査を受けることができます。
しかし、
強いガン遺伝子を持っていても、
それだけで必ずガンになるわけではありません。
早期発見のために定期的に検査を受けるのであれば意味があるかもしれませんが、
かえって不安を抱えて生きることになるという欠点もあると言えます。

Posted by ブラックジャックの孫 at 10:25
│人間はなぜガンになるのか