2015年03月02日
血液検査による早期発見
間 黒助です。
2014年8月18日、
『 血液から13種類のガン診断 』
というニュースが日本中のメディアで報道されました。
これからのガン検診やガン医療を大きく変えることになるかもしれないので、
少し詳しく説明しておきます。
これまでガンに関する血液検査としては、
「腫瘍マーカー」というものが代表的でした。
腫瘍マーカーにはたくさんの種類があって、
ガンの勢いを知るには役立つ検査です。
しかし早期発見という意味では、
ガンでないのに引っかかったり、
ガンであっても引っかからなかったりと、
あまり役だってえいるとは言えませんでした。
今回発表された血液検査は、
これまでの腫瘍マーカーとは全く違い、
マイクロRNAというものを測定します。
マイクロRNAというのは遺伝子の断片で、
以前はゴミみたいなものと思われていましたが、
神経やホルモンなどとは別の経路で、
細胞から細胞へ直接情報を伝える手段に使われていることが、
最近分かってきました。
ガンにおいてもこのマイクロRNAが、
ガン細胞のかたまりを大きくしたり、
生き延びさせたり、
転移させたりするのに、
大きな役割を果たしていることが分かりました。
今回の発表は、
どの種類のガンで、
どのようなマイクロRNAが増えるかを、
数十万人分の血液で解析し、
日本人に多いガンや、
早期発見の効果が大きいガンを、
的確に診断できる仕組みを作るプロジェクトが、
始動したというニュースです。
5年以内の実用化を目指しています。
この検査の大きな特長は、
その精度の高さです。
ガンのマイクロRNAは、
そのガン細胞が増えたり転移したりするための情報を、
他の細胞に伝えるものなので、
ガンが大きくなったり拡がったりする前から分泌されます。
この検査にはもう1つ、
これまでの検査では分かりにくかった、
“ どれくらいタチの悪いガンなのか ” が分かるという特徴もあります。
パターンの分析が順調に進めば、
非常に高い精度でガンの早期発見ができると期待されています。
すでに乳ガンに関しては、
90%以上の精度で診断が可能になっており、
実用化も目前に迫っています。
原理的には、
ガン細胞がまだ数個という超早期の段階でも発見できてしまうため、
放っておいても自然治癒するものや、
画像検査では発見できないくらい小さいガンまで、
発見してしまう可能性が高いという問題はあります。
そのことに振り回されないようにするために、
これからは、
“ ガン細胞ができた ” 段階から、
“ ガンになった ” といえる段階までには、
かなりの時差があるということを、
広く認識する必要が出てくるでしょう。
過剰な医療行為が増えたり、
心配しなくてもいい段階の人まで余計な不安を招かないように、
どのようなパターンの結果が出たら、
どのような検査や情報提供をするのがいいかを考えたり、
誤解を招かない説明ができるように、
医療現場の教育を徹底するなど、
体制を整えていく必要があります。
このように、
実用化までに解決しなければならない点はいくつかあるものの、
その道筋はほぼ固まっています。
データの解析が終わって実用化されると、
これまでのガン検診よりはるかに少ない負担で、
効率良く、
すばやくガンの早期発見ができることになります。
そうなれば、
まずこの検査をして引っかかった人には、
そのパターンに応じて再検査をするという形に、
ガン検診のあり方がガラッと変わるかもしれません。
この検査が広く行われるようになると、
日本のガン検診やガン診療は、
“ ガン細胞はできたけれども、
ガンにならないうちに治療が完了できた ” 人が増えるという、
全く新しいステージに進んでいくのではないかと期待しています。

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間 黒助
Posted by ブラックジャックの孫 at 22:01
│色々な検査方法