2013年10月22日
嫌気性解糖系は発酵と同じ
間 黒助です。
『 細胞が活動するエネルギー 「 ATP(アデノシン三リン酸) 」 』
『 酸素を使ってATPを産生するミトコンドリア 』
『 細胞はブドウ糖を燃焼してエネルギー産生する 』
『 脂肪やたんぱく質もエネルギー源となる 』
『 ブドウ糖がピルビン酸になる反応が 「 解糖 」 』
『 酸素があるとピルビン酸がミトコンドリアに入ってATPが生成される 』
『 酸素が無ければ酵母は発酵でATPを産生する 』
の続きですが、
動物細胞の場合、
酸素の供給が十分でなければ、
細胞質において乳酸脱水酵素の作用でピルビン酸が乳酸に変換されます。
この生化学反応は 『 嫌気性解糖系 』 と呼ばれ、
細胞が無酸素状態でブドウ糖からATPを作る反応のことです。
そしてこれは、
乳酸菌が糖質を発酵させて乳酸を作るときの化学反応(乳酸発酵)と全く同じです。
つまり、
運動をして筋肉細胞に乳酸が溜まるのは、
酸素の供給が不足して嫌気性解糖が進むからなのです。
酸素が十分にある状態では、
ミトコンドリア内で効率的なエネルギー産生が行われるため、
1分子のブドウ糖から32分子のATP(※)が作られます。
※酸化的リン酸化で生成するATPの量は、
1分子のブドウ糖あたり30~32分子など、複数の説があり確定してません。
ところが、
嫌気性解糖系に行った場合は、
1分子のブドウ糖から2分子のATPしか作られません。
動物細胞は、
ブドウ糖をピルビン酸まで分解した後、
酸素があればTCA回路と電子伝達系による酸化的リン酸化によってATPを生成しますが、
酸素がない場合は、
ピルビン酸からさらにアルコール(酵母)や乳酸(筋肉や乳酸菌)に分解します。
このように無酸素状態のとき、
ピルビン酸で止まらずに乳酸やエタノールに変換される理由は、
解糖系で還元されたNADH(還元型ニコチンアミドアデニンジヌクオレチド)を、
酸化型の NDA+ に戻すためです。
詳しく言うと、
NDH(ニコチンアミドアデニンジヌクオレチド)は、
酸化還元反応における電子伝達系として機能しており、
酸化型(NAD+)と還元型(NADH+H+)の2種類の形で存在しますが、
NAD+ は解糖系の反応に必要で、
NAD+ が枯渇すると解糖系が進行しなくなるため、
解糖系で還元型になった NADH+H+ を NAD+ に戻す目的で、
乳酸(乳酸発酵)やエタノール(アルコール発酵)が作られるのです。
※解糖系では、ブドウ糖からピルビン酸、ATP、NADH+H+が作られ、
乳酸発酵では、
NADH+H+を還元剤として用いることでピルビン酸を還元して乳酸にします。
一方、アルコール発酵では、
解糖系由来のピルビン酸がアセトアルデヒドに変換され、
アセトアルデヒドは解糖系由来のNADH+H+によって還元されてエタノールになります。
そして発酵を通じNAD+を産生することによって解糖系での代謝が続けられます。
このように、
細胞は発酵を通じてNAD+を補充することにより、
さらに多くのブドウ糖を解糖系で代謝できるようになります。
なお、
乳酸は血液で肝臓に運ばれ、
乳酸脱水素酵素によってピルビン酸に変換され、
ブドウ糖に再生されます。
この過程を 『 糖新生 』 と言います。
この糖新生で産生されたブドウ糖は血中に放出され、
筋肉でエネルギー源として再利用されます。
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間 黒助
Posted by ブラックジャックの孫 at 13:37
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