2013年05月24日
ほとんどは上皮ガン
間 黒助です。
ガンの治療で厄介なのは、
ガンは100%の敵ではなく、
自分自身でもあるということです。
ガンに対する攻撃は自分自身に対する攻撃でもあります。
ガンの手術は多かれ少なかれ、
自分自身の健康な肉体を傷つけ、
その一部を切除してしまうことでもありますから、
肉体的に相当な負担になります。
例えば、
膀胱ガンなら、
ちょっと重たくなると、
膀胱全摘出などといった大変な事態になります。
胃ガンなら胃を全部取った、半分取ったなどというケースがよくあるし、
大腸、結腸なら、相当部分を摘出して、
人工肛門を付けざるを得なかったなどというケースもよくあります。
ガンの患部だけをピンポイントで切り出すということはほぼ出来なくて、
予後の安全(周辺組織への浸潤を防ぐ)のためにも、
健康な部分も一緒に大きくえぐり取らなければなりません。
放射線療法の場合も、
ピンポイントで患部だけに放射線をかけることは出来なくて、
健康な部分を含めて放射線をかけることになりますから、
どうしても副作用から逃れられきれません。
副作用が特に深刻なのは、
化学療法と言われる抗がん剤治療の副作用です。
抗がん剤は、
ガン細胞の増殖を止めようとします。
しかし抗がん剤は、
ガン細胞だけにピンポイントで作用するということが出来ません。
抗がん剤を投与するとそれは血流に乗って、
全身の隅々まで運ばれていきます。
手術や放射線は、
ピンポイントでないにしろ、
患部だけに働きかける局所療法ですが、
抗がん剤は全身療法にならざるを得ないのです。
その副作用は全身に及びます。
ガン細胞の際立った特徴は、その急速な増殖になります。
ガンとは、
ある部分の細胞がとめどなく増殖するようになる細胞の病気です。
抗がん剤はその増殖を抑えようとする薬です。
しかし、
ガン細胞の増殖だけを抑えることが出来ないので、
あらゆる細菌の増殖を抑えようとします。
だから抗がん剤の副作用は大きいのです。
人間の体は全て新陳代謝しています。
60兆の細胞が皆、新しい細胞に置き換わることを日々に続けていくから、
人間は生きているのです。
(全ての人において毎日平均数千億の細胞が新しい細胞に置き換わっています)
細胞は皆、細胞分裂によって新しい細胞になっていきます。
それを抑えようとするのが抗がん剤ですから、
抗がん剤は、
人体の全ての細胞の自然な働きを止めようとする薬だとも言えるわけです。
言ってみれば、
抗がん剤は生命の自然な働きに反する薬なのです。
だからつらい副作用がいろいろ出てしまうのです。
人体の細胞の中にも、
新陳代謝のスピードに速い遅いがあります。
新陳代謝のスピードは速いところは、
細胞分裂がそれだけ活発なところです。
抗がん剤は細胞分裂が活発なガン細胞に働きかけてその細胞分裂を止めようとします。
すると、
ガン細胞以外の、
元々細胞分裂が活発なところにもその働きかけが及んで、
そこの細胞分裂を止めようとします。
抗がん剤の副作用の第1が頭髪が抜けることになるのはそのためです。
毛根は体の中で細胞分裂が激しいところだからです。
副作用の第2は気持ちが悪くなり、
吐き気がしたり、食欲が無くなったりすることです。
これは、
胃腸など消化器の粘膜部分が体の中で最も新陳代謝が激しいところだからです。
胃腸の粘膜は、
数日の間に全部入れ替わるほど、
新陳代謝が激しい(細胞分裂が盛んな)ところなのです。
実はそのように細胞分裂が盛んに行われている場所は、
同時にガンができやすい場所でもあります。
ガンとは細胞分裂システムが狂うことですから、
そのように、
細胞分裂が常日頃から激しく行われている場所こそ狂いが生じやすいのです。
人間の体は全て皮膚に覆われています。
体の表面を覆っているのが表皮で、
我々が普通皮膚と呼んでいるのは、こお表皮です。
人間の体は、
実は内側も全部粘膜質の皮膚で覆われています。
口の中も鼻の中も胃腸などあらゆる臓器の中も、
肺の中も食道の中も、
肛門や膀胱の中も、
全部内側の粘膜質の皮膚で覆われています。
この体の内側の粘膜質の皮膚を “ 上皮 ” と言います。
その上皮にできるガンが 『 上皮ガン 』 なのです。
ガンを分類するとき、
よく胃ガン、大腸ガン、食道ガン、乳ガン、子宮ガンのように臓器別の分類をします。
しかし、
これらの臓器ガンのほとんどが、
組織学的分類では上皮ガンなのです。
ガンには、
肉の部分にできる肉腫、
骨の部分にできる骨腫などもあります。
しかし、
圧倒的に多い(8割以上)のは、
胃ガンでも、大腸ガンでも、肺ガン、食道ガン、膀胱ガン、乳ガンでも上皮ガンです。
ガンを漢字で 『 癌 』 と書くことがありますが、
『 がん 』 と 『 癌 』 を専門家がどう使い分けているかと言えば、
『 癌 』 は上皮ガンに用い、
『 がん 』 は全てのガンに用いるというのが一般的な使い分けです。
(僕のブログでは読みやすさを第一に “ ガン ” と表記)
それくらい上皮ガンが一般的なのです。
なぜ圧倒的に上皮ガンが多いのかと言うと、
人間の身体で最も新陳代謝が激しいのは体内の粘膜部分だからです。
表皮の新陳代謝は、
風呂に入って石鹸で体を擦ると、
垢になって削げ落ちていくので自分ですぐ分かりますが、
体内上皮の新陳代謝されたものは、
大便小便の中に入って排泄されてしまうので、
普通の人はなかなか気が付きません。
体内の上皮の1番大きな部分は胃腸の内皮で、
それは全部広げると400平方メートルにも及びます。
表皮の総面積より遥かに広いのです。
それが2日に1回むけて排泄されるのですから、
大便の相当部分が実はそれであるのに我々は気付かないのです。
抗がん剤を服用するようになると、
頭髪が抜けるだけでなく、
皮膚が輝きを失い、ボロボロになってヒビが生じたりしますが、
それは皮膚の新陳代謝が妨げられるからです。
皮膚がボロボロになる以上に、
体内上皮部分(体内のあらゆる粘膜)がボロボロになっていきます。
それが吐き気、食欲不振などあらゆる副作用現象の元になっています。
人間の日々の栄養吸収は、
胃腸の上皮が行っているので、
それがボロボロになれば吐き気も食欲不振も起きて当然です。
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間 黒助
Posted by ブラックジャックの孫 at 15:34
│ガンと生きる