2013年05月11日
全身のパトロール役のNK細胞
間 黒助です。
リンパ球の別の仲間 『 NK細胞 』 は、
ガン発生の予防、
あるいはガンの成長スピードを抑えるのに役立つと考えられています。
実際に、
動物実験で人為的にNK細胞が無いマウスを育てると、
ガンの発生率が大幅に高まります。
また、
ガンの進行のスピードも速まってしまうことが知られています。
NK細胞は常に血液の中を巡り、
全身をパトロールしている免疫細胞なのです。
そうして、
異常になった細胞を見付けだしては次々と殺傷し、
ガンの発生防止に寄与しているとされます。
そしてこの時、
NK細胞はリンパ球の仲間でありながら、
ウイルスに感染した細胞やガン細胞を、
特異的な認識なしに殺すことができます。
どうしてそんなことができるのかと言うと、
一般的には、
組織適合抗原(特にクラスⅠ分子と呼ばれるもの)が、
細胞表面に正常なレベルで提示されていない細胞を標的にすると考えられています。
そしてもう1つ、
細胞表面に現れる、
ストレス関係のたんぱく質を感知する能力も備えているとされています。
人間の細胞は、
ガン化のような生理的なストレスを受けると、
組織適合抗原のクラスⅠ分子を介し、
その細胞表面にストレスを受けている目印の “ 旗 ” を立てます。
NK細胞は、
これらの一連の旗(たんぱく質)を認識するための受容体を有していて、
これによってガン化した細胞を見付け出すことができるのです。
NK細胞は、
自らは主に※インターロイキン2というシグナル伝達物質によって増殖・活性化されます。
(※インターロイキンは免疫細胞が作り出す免疫細胞間の調整因子)
また、
インターロイキン12というシグナル伝達物質の刺激によっても活性化され、
活性化されると、
今度はインターフェロン-γ(ガンマ)というシグナル伝達物質の生産力を高めるようになります。
このインターフェロン-γ(ガンマ)は、
ウイルス等の増殖を抑える※サイトカインの1つであり、
直接的にもガンを攻撃する因子です。
(※調整因子/シグナル伝達物質)
また、
活性化したNK細胞は、
細菌や毒素、
あるいはガン細胞などに結合した抗体医薬品の抗体を認識し、
その抗体の定常領域に取り付いて、
その細胞などを殺傷する役目も持ちます。
様々な方法でガン細胞などを殺す能力を持ち、
しかも、
抗原提示細胞からの抗原提示を受ける必要なく、
非特異的に異物やガン細胞を殺すことから、
ナチュラルキラー細胞、
略してNK細胞と呼ばれるのです。
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間 黒助
Posted by ブラックジャックの孫 at 15:35
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