治療後の悩みと喪失感や再発の不安とどう闘うか

ブラックジャックの孫

2016年03月07日 14:22



間 黒助です。




ガンの治療している間は、

患者さんはガンと闘っているという気持ちでいっぱいになり、

治療に専念することが日々の目的となります。

その間は案外他のことを考えずに済むものです。


そして一通りの治療を終えると、

「これからは一定期間ごとに再発がないかどうかの検査をしますが、

それ以外は普通の生活に戻っても大丈夫です」

と治療生活から解放される日がやってきます。

ほっと胸をなでおろす一方で、

このときから密かな悩みを抱える人も少なくありません。


退院してゆっくりと体を馴らしながら、

元通りの生活に戻していくことになります。

手術などで一部以前と違う体になっている場合もありますが、

外見上の大きな変化は少なく、

周りからは何の問題もなく順調に回復しているように見えるので、

事情を知っている人達からは励ましの気持ちもあって、

「もう大丈夫だね」

「すっかり良くなって安心したよ」

といった声をかけられるでしょう。


嬉しいことには違いないのですが、

本人は周りにわからない苦労を抱えていることが多いものです。

治療や手術などで負担のかかった体が元の状態に戻るには、

やはり時間がかかります。

ケースバイケースですが、

半年から1年以上かかるのは普通です。


また手術で失った部分がある場合は、その喪失感もあります。

乳ガンのように目に見える場所だけでなく、

外から見て分からない部分でも、

本人にとっては、

「大事なものを失ってしまった」

という気持ちにさいなまれることもあります。


さらに精神面での問題も抱えます。

自分の体に自信が持てなくなってしまい、

心配や不安、情けなさなどを感じて、

それらがストレスになる人も少なからずいます。


これらの悩みの上にのしかかってくるのが再発への不安です。


「ガンが再発しました」

という言葉は、

最も忌まわしい言葉として受け止められることが多いと思います。


一般的に “ 再発 ” というと、

いったんは治療によって消えたガンが、

またできてしまったというイメージではないかと思います。

しかし実際は、

以前の治療が終わった段階でわずかに残っていたガンが、

時間が経つにつれて大きくなって見つかることがほとんどです。


再発には3つの代表的なパターンがあります。

元々のガンがあった場所に再び現れる場合を局所再発、

リンパ節に現れる場合をリンパ節再発、

別の場所に現れるのを転移再発といいます。


実は、

最初の治療が終わった段階で、

ガンの種類や状態によって、

転移が現れやすい場所や再発の可能性については、

ある程度予測がつきます。

それを正確に患者さんに伝えるのかどうかは医師の裁量に任されます。

再発の心配をしながら生活していくのはとても辛いことなので、

余計な不安を抱かせないように、

わざと曖昧に伝える場合もあるのです。


治療の際、

医師はガン細胞が1つも残らないように完治させることを目指して、

できる限りの手を尽くします。

ですが治療が終わった時点で、

ガン細胞が全く残っていないことを証明できる検査は、

今のところありません。

ごく小さいガン細胞は、

血液検査や画像検査、PET検査でも検出することができないのです。

そのため、

再発をチェックするための検査を定期的に続けていくことになります。


ガンの再発を、

「100%ありません」

と保証することはできません。

ではガンになった人は、

いったん治療を終えた後も、

ずっと再発の不安に脅えながら生活していかなければならないのでしょうか。


以下のようなケースは、

ほとんど心配しなくても大丈夫だと思います。


まず、

治療を終えたときに医師が、

「再発の心配はまずありません」

「ほとんどありません」

と言った場合、

前述したように “ 100%ありません ” と言えない状況の中で、

このようなでき得る最大限の表現を医師がした場合は、

医師のほうでもガン細胞を取りきれたという自信があります。

この場合はまず安心していいでしょう。


次に、

治療後の定期検査を続けている場合には、

時間が経つにつれて再発の可能性が減っていきます。

多くのガンは、

5年間再発がなければ、

その後から再発が見つかることはほとんどありません。


一部例外もあり、

肝臓や胃などにガンができやすい下地があると、

ガン細胞がいったんなくなったように見えても、

また新しいガン細胞が出てくるということはあります。

進行の遅い乳ガンなどは、

もう少し長い年数で経過を観察する場合もあります。

ですが、

大多数のガンは時間の経過に従って、

再発の心配は減っていくのです。











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間 黒助





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