基準値はあてになるのか

ブラックジャックの孫

2013年07月04日 20:30



間 黒助です。




まず基準値ですが、

健康人の95%が含まれる値に設定されています。

つまり、

健康であっても5%の人は外れているわけです。

言い換えれば、

外れたからといって、

すぐに「異常だ」「健康ではない」とは言えないシロモノということです。


また、

この基準値は若者の基準値だということです。

なので、

年寄りに当てはめるには少し問題があるということになります。


また、

検査項目が1つということはありません。

普通は複数です。


基準値が健康人の95%が収まる範囲だとすると、

理論的には2項目とも基準値に入る確率は、

0.95の2乗で90.25%になります。

5項目だと77.37%、

10項目だと59.87%(健康人10人のうち4人強は、どの項目かが基準範囲から外れる)、

30項目も検査すれば21.4%になり、

約8割の健康人が何かで引っ掛かる計算になります。


日本人間ドック学会が発表した、

2010年の人間ドック受診者、約300万人の全国集計成績によると、

「異常なし」は過去最低の8.4%でした。

しかし上記のことを考えると、当たり前の結果と言えるでしょう。


おそらくこの300万人の中には、

「異常なし」のお墨付きを得たいがためのお年寄りも混じっていることでしょう。

健康なのに病人に仕立て上げられてしまった人が、

かなりの数に上るのではないかと推察されます。


『 健診 』 や 『 人間ドック 』 のスローガンは、

『 早期発見 』 『 早期治療 』 です。


ただこの言葉は、

早く見つけて手を打ちさえすれば、

全ての病気が完治、根治するような錯覚を与えます。


大体、

早期発見・早期治療は完治の手立てのある肺結核で成功を収めた手法です。

これを完治が難しい生活習慣病に適応しようとすることに、

そもそも無理があります。

もっとも病気と縁が切れるという点では、

ガンだけは例外に考えてもいいと思います。

ただ、

臓器が無くなっているのに、

完治と言っていいのかという問題は残りますが……。


「自己の積極的な健康管理に非常に有効であり、

時に検診や人間ドックで異常が見つかるのを恐れて受けない人がいるが、

とんでもないことである。

早期発見で、病気で倒れない、明るい人生が送れると考えるべきだ」

と推進論者の方々は言います。

しかし、

人生知らないほうが幸せということもあり、

知ったことで患者に仕立て上げられ、

暗い人生を過ごさなければならないことも考えられます。


また、

結果の報告を見ると、

“ 異常なし ” というのも、

「今回の検査の範囲では異常はありません」

と書かれています。

つまり、

当然ですが、

調べていないことは分かりませんし、

明日に関してはどうかということは言えません、

ということです。


以前はマラソンの出場者には、

健康診断書の提出が義務付けられていましたが、

今はそれほどうるさくはないはずです。

なぜなら大丈夫のお墨付きが出せなくなったからです。


つまり、

安静時に異常が認められないからといって、

激しい運動をした時にどうなるかの予想はできないからです。


最近の実例としては、

サッカー選手の松田直樹さんが34歳の若さで心筋梗塞で亡くなりました。

事前のメディカルチェック(健診)では異常が無かったとのことです。


以上から、

健診や人間ドックを受けることによって、

より健康な人生が送れたり、

寿命が延びたりすることは考えにくい思ってしまうのは僕だけでしょうか……。









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