間 黒助です。
1970年代、
ヨーロッパの研究者達が、
グリーンランドに暮らす先住民族イヌイットの生活を調査しました。
イヌイット族は氷雪地帯に住んでいたので、
穀類や野菜や果物を一切食べていません。
食べるものといえばアザラシや白クマの肉だけです。
しかしイヌイットには虫歯が無く、
糖尿病や心筋梗塞やガンの人はほとんどいませんでした。
野菜を全く食べていないのに、
なぜ生活習慣病が極端に少ないのでしょうか。
この疑問に当時の研究者達は頭を悩ませました。
「イヌイットは特殊な体質でビタミンCを体内で合成できるのではないか」
などという珍説も飛び出しましたが、もちろん間違えです。
イヌイットは肉だけを食べていたから生活習慣病にならなかったのです。
それはひとつにはアザラシの肉に含まれるEPAにより動脈硬化になりにくかったことと、
もうひとつは穀類などから糖質を摂ってなかったことが影響していると考えられています。
イヌイットの伝統的な生活は、
その後、近代の文明生活に傾いていき、
パンやビスケットなども食べるようになりました。
すると、とたんに虫歯や糖尿病、心筋梗塞、ガンなどの病気が増加しました。
以前はほとんどなかった病気が糖質を摂り始めたら急増したのです。
このことは肉中心の食生活の、
ひいては断糖の効果を如実に物語っているものではないでしょうか。
他にも、
モンゴルの遊牧民やネパールの高地民族、
アイヌ民族の中にもほぼ肉食という人達がいて、
病気にもなりにくいという調査結果が出ています。
このことから、
人間は肉だけ食べていても十分に健康的に生きていけることが分かります。
それというのも、
肉にはビタミンやミネラルが豊富に含まれているからです。
豚肉にはビタミンB1が、
鶏肉にはビタミンB6が含まれています。
魚にもビタミンA、ビタミンB群、ビタミンD、ビタミンE、
カルシウムや亜鉛といったミネラル類を含むものがたくさんあります。
肉と魚だけ食べていても相当量のビタミン、ミネラルが摂取できるのです。
野菜をたくさん食べる必要はないというのはこのためです。
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